中南米地域へのインフラ海外展開に関する 官民連携プラットフォーム(PLACIDA)の設立


日本政府はこのたび、中南米地域における戦略的なインフラプロジェクトへの日本企業の参画を促進することを目的として、官民連携による「中南米地域へのインフラ海外展開に関する官民連携プラットフォーム(PLACIDA:Public-Private Platform of Latin American and the Caribbean Infrastructure Development Alliance)」を正式に発足しました。

PLACIDAの初会合は、2025年7月17日に東京都港区の三田共用会議所にて開催され、各国の外交団、主要企業、国際機関から130名を超える関係者が参加しました。会合は、日本国外務省中南米局長の野口泰氏、経済産業省大臣官房審議官の髙山成年氏、国土交通省大臣官房海外プロジェクト審議官の小笠原憲一氏が主導し、ラテンアメリカ諸国の大使やJICA、JETRO、JBIC、NEXI、JOINの代表者も出席しました。

会合では、日本側から中南米地域の経済展望や、強靭なインフラ、クリーンエネルギー、物流プロジェクトにおける相互協力の可能性について説明が行われました。PLACIDAは、日本企業とラテンアメリカ各国政府や金融機関を結ぶ架け橋となり、地域の近代化と持続可能性に貢献するプロジェクトの推進を目指しています。

このプラットフォームの主な特徴として、優先的プロジェクトの特定、規制枠組みの検討、資金調達の促進を行う年次のハイレベル会合や専門作業部会の設置が挙げられます。また、公式訪問や国際フォーラムを活用し、二国間および地域間の協力や合意形成を一層進めていく方針です。

ラテンアメリカの国々は、日本と民主主義の価値観を共有し、豊富な天然資源と強固な人的つながりを持つ戦略的パートナーであり、現在およそ160万人の日系人が文化的・経済的な架け橋の役割を果たしています。PLACIDAは、長年、縮小傾向にあった同地域における日本の存在感を再び高めるための新たな取り組みを示すものです。

JAPOLAC(日本ラテンアメリカカリブ振興協会)は、日本企業のラテンアメリカ・カリブ地域の開発プロジェクトへの参画拡大という協会の目標とも合致するこの取り組みを心より歓迎し、相互補完の役割を担っていきたいと考えています。

アルゼンチン大使への表敬訪問


日本ラテンアメリカカリブ振興協会(JAPOLAC)代表理事のリッテル・ディアス博士は、駐日アルゼンチン共和国特命全権大使エドゥアルド・テンポネ閣下を表敬訪問しました。

会談では、ディアス博士よりJAPOLACの使命および現在の主な活動について説明があり、ラテンアメリカ・カリブ諸国と日本との間における、実践的かつ互恵的な交流の促進に向けた同協会の強い意志が強調されました。

特に、ディアス博士は、在日アルゼンチン共和国大使館との更なる連携への意欲を示し、2022年5月に開催された文化イベント「ラテンアメリカ・カリブ諸国 ~タパス・パーティー~」において、同大使館文化部との協力実績を紹介しました。このイベントでは、同地域各国の軽食が紹介され、アルゼンチンの代表的な料理であるチョリパンも提供されました。

また、アルゼンチン・タンゴのライブパフォーマンスに加え、18世紀のアルゼンチン・サンタフェの様子を描いたフロリアン・パウケ財団のイラスト展示も行われました。これらの作品には、モコビ族先住民の暮らしや動植物などが描かれており、イエズス会宣教師フロリアン・パウケによる貴重な文化的・歴史的遺産として高く評価されています。

ディアス博士は、テンポネ大使の外交活動へのサポートを改めて表明し、JAPOLACが同大使館の取り組みを支援するためのプラットフォームとして、また日本国内における政治・経済・社会・国際情勢に関する有益な情報を提供する役割を果たしていることを強調しました。

テンポネ大使は今回の訪問を歓迎され、JAPOLACの活動やその貢献について理解を深める貴重な機会となったことに感謝の意を表されました。また、アルゼンチンと日本の外交関係の重要性についての見解を述べられ、アルゼンチン・ブランドの認知向上を目的とした今後のイベント計画についても言及されました。

この訪問を通じて、JAPOLACは、日本に駐在するラテンアメリカ・カリブ諸国の大使館の活動を引き続き支援し、同地域の豊かな文化遺産と日本社会への貢献に対する理解や認識の向上に努めていく決意を新たにいたしました。

なお、今回の会合には、JAPOLAC理事のアジョイ・シンハ・ロイ氏およびフレディ・アルミホス氏が同行しました。

2025年大阪・関西万博 開催 チリ海軍練習艦エスメラルダ号の大阪寄港


2025年6月15日、一般社団法人日本ラテンアメリカカリブ振興協会(JAPOLAC)の代表理事であるリッテル・ディアス博士は、現在大阪港に寄港中のチリ共和国海軍練習帆船「エスメラルダ」号の艦上で開催されたレセプションに出席いたしました。同艦は、2025年大阪・関西万博におけるチリ共和国の参加を支援する外交航海の一環として日本を訪れています。

本レセプションは、駐日チリ共和国大使リカルド・ロハス閣下およびエスメラルダ号の艦長アンドレス・ガジェゴス氏の共催により開催され、お二人から歓迎の挨拶が述べられました。その中で、エスメラルダ号が「航海する大使館」として果たしている、国家間の友好と相互理解の促進における歴史的かつ象徴的な役割について強調されました。

また、本イベントには高円宮妃久子殿下がご臨席され、チリと日本の二国間関係の重要性および2025年万博を通じた文化外交の意義を一層際立たせるものとなりました。

ディアス博士はロハス大使に対し、ご招待への謝意を表するとともに、万博開催地であり日本第3の都市でもある大阪に同艦が寄港するというチリのイニシアティブを賞賛しました。また、エスメラルダ号の訪問のような取り組みが、文化交流や人的交流を通じて二国間関係の強化および相互理解の深化に寄与するものであると伝えました。

豊かな海洋外交の伝統を誇るエスメラルダ号が、約30年ぶりに大阪へ寄港したことは、チリの国際友好と協力への揺るぎない姿勢を改めて示すものであり、2025年大阪・関西万博という国際的な舞台において、その意義が一層際立つものとなりました。

第1回エクアドル文化フェスティバル 開催 「四つの世界の国:アンデスのリズム」


2025年6月7日、一般社団法人日本ラテンアメリカカリブ振興協会(JAPOLAC)は、在日エクアドル人協会(SEKIDO)および在日エクアドル共和国大使館のご協力のもと、「四つの世界の国:アンデスのリズム」をテーマに、第1回エクアドル文化フェスティバルを東京ポートシティ竹芝にて開催いたしました。

本イベントは、アンデス山脈を有する国々の豊かな伝統、料理、音楽、舞踊、観光、特産品を紹介することを目的としたJAPOLACの新たな文化シリーズ「アンデスのリズム」の幕開けとなりました。

JAPOLAC代表理事リッテル・ディアス博士は開会の挨拶の中で、JAPOLACが情報、交流、ネットワーキングのプラットフォームとして、日本とラテンアメリカ・カリブ諸国との間で実践的な交流を促進する役割を担っていることを強調しました。JAPOLACは、教育、ビジネス振興、保健、農業、環境、技術といった人間開発の重要分野において、両地域間の連携を支援しつつ、文化的理解と友好の深化を図っています。

本フェスティバルには、アンデス諸国の駐日大使の皆様―セサル・モンターニョ駐日エクアドル共和国大使、エドゥアルド・テンポネ駐日アルゼンチン共和国大使、グスタボ・マカナキ駐日コロンビア共和国大使、リカルド・ロハス駐日チリ共和国大使、ロベルト・セミナリオ駐日ペルー共和国大使にご臨席いただきました。また、外務省中南米局長の野口泰大使にもご出席賜り、エクアドルの多様性を称えるとともに、両国関係のさらなる発展への期待を感じることが出来ました。

特別来賓としてご臨席されたモンターニョ大使は、JAPOLACおよびSEKIDOの卓越した企画力と行動力に対し、深い感謝の意を表されました。また、SEKIDO会長フレディ・アルミホス氏は、本フェスティバルの文化的・歴史的意義について協調されました。

イベントでは、アンデス、アマゾン、海岸、ガラパゴス諸島の4つの地理的地域を代表する料理、音楽、舞踊、観光、特産品を通じて、エクアドルの豊かな多様性が紹介されました。文化プログラムでは、エクアドルからの特別ゲストアーティストであるピアニストのホルヘ・マルロン氏、ソプラノ歌手のロレナ・フォレロ氏による素晴らしい演奏が披露され、また、アンデス音楽グループRaymisの力強い演奏や、沿岸部とアンデス地方の伝統的な舞踊が観客を魅了しました。150名以上の来場者が、エクアドル文化の真髄に触れ、堪能しました。

本フェスティバルの開催にあたり、前川製作所、三井食品、Multiflave、くら寿司、株式会社ハタダ. 、N25、群馬ミート、アートツアー、イズックス、Soko Natural Beauty、Go Galapagos、Alkimista Nakaizu Winery Hillsほか多くの企業・団体の皆様に温かいご支援を賜りましたことに、心より御礼申し上げます。特別ゲストとして、テレビ東京のバナナ社員「ナナナ」も登場し、来場者に笑顔を届けてくれました。

「アンデスのリズム」シリーズを通じて、JAPOLACは今後も日本とラテンアメリカ・カリブ地域との間に、友情と協力の架け橋を築いてまいります。

千葉大学 宇宙農業・園芸研究センターを訪問


一般社団法人 日本ラテンアメリカカリブ振興協会(JAPOLAC)の代表理事である リッテル・ディアス博士は、千葉大学大学院園芸学研究院(松戸キャンパス)にある宇宙農業・園芸研究センターを訪問し、日本が宇宙探査に向けて進めている持続可能な食料生産の研究と、ラテンアメリカ・カリブ地域の大学との学術・技術連携の可能性について理解を深めました。

この訪問では、センターのスタッフより、月や火星、さらには宇宙空間での長期ミッションに対応できる自律型・循環型の食料生産システムを開発するというセンターの目的について詳しい説明が行われました。

宇宙と地球の食料安全保障のために

このセンターでは、植物工場技術、ゲノム編集、資源リサイクル型の閉鎖環境システムなどを応用して、宇宙でも人間が安心して生活できるための食料生産方法を研究しています。また、日本の宇宙開発機構(JAXA)や、NASAと協力するアルテミス計画など、国際的な取り組みにも貢献しています。

現在、以下のような様々な作物の研究が行われています:

  • トマト:ビタミンCや抗酸化物質が豊富で、気分を和らげる食品として注目
  • キュウリ:根が水を探す特性(向水性)があり、無重力環境でも育てやすい
  • 大豆:タンパク質源として重要で、豆腐や味噌など多くの加工品を生産可能
  • :主食(炭水化物)で、宇宙での栽培に適した方法を研究中
  • ジャガイモ・サツマイモ:カロリーが高く、閉鎖環境でも栽培しやすい
  • イチゴ・レタス:栄養価が高く、宇宙生活での心のケアにも役立つ作物

これらの作物は、月や火星の環境を模した条件で栽培テストされており、育成のスピードが早く、栄養価が高く、ストレスに強い野菜・果物を作り出すことを目指しています。技術面では、受粉ドローンや自動収穫ロボット、低重力シミュレーターなども活用されています。

国際的な学術連携に向けて

ディアス博士は、ラテンアメリカやカリブ海地域の大学とこのセンターとの間で、環境制御型農業、バイオテクノロジー、持続可能な開発といった分野での学術連携に強い関心を示しました。宇宙での農業技術を、気候変動で影響を受けている地域の農業に応用することで、共同研究や知識の共有が促進される可能性があります。

「このセンターは、宇宙探査の未来だけでなく、地球の農業の未来も示しています。また、ラテンアメリカやカリブ地域の多くの国が直面している、持続可能で排出ゼロの食料システムの開発という課題に、まさに合致しています。」とディアス博士は述べました。

JAPOLACは今後、千葉大学とラテンアメリカ・カリブ地域の理工系大学や科学技術機関との間で、共同研究、学生交流、技術移転などを進めるための対話を促進してまいります。