チリ共和国大統領ガブリエル・ボリッチ・フォント閣下は、2025年5月11日から12日までの日程で日本を公式訪問されました。2022年3月の就任以来、初めての訪日となり、両国の多面的な結びつきを一層強化する機会となりました。
石破茂内閣総理大臣との首脳会談
5月11日、ボリッチ大統領は都内の総理大臣官邸において、石破茂内閣総理大臣と首脳会談を行いました。両首脳は、両国関係のさらなる強化に向けた強い意志を再確認し、2027年に迎える外交関係樹立130周年を見据えた協力の深化について意見を交わしました。
経済・貿易協力
会談では、特に鉱業分野における協力拡大が議論されました。チリは日本にとって最大の銅およびリチウム供給国であり、石破総理は日本の先進的な技術を活用してパートナーシップをさらに強化したい意向を示しました。両首脳はまた、米国の関税政策の影響など、世界経済が困難な状況であるからこそ、自由貿易が重要であることを強調し、強靱なサプライチェーンの構築と相互支援の必要性について認識を共有しました。
防災協力と人材育成
自然災害に対する共通の脆弱性を認識しつつ、ボリッチ大統領は、ラテンアメリカ地域における人材育成を目的とした「KIZUNAプロジェクト」をはじめとするチリの防災分野における取り組みに対する日本の支援に謝意を表しました。石破総理からは、避難施設の整備を含む日本の防災対策の取り組みが紹介され、今後も両国の防災協力を強化していく意向が示されました。
宇宙・科学技術分野における協力
両首脳は、宇宙および天文学分野における連携の拡大についても意見交換を行いました。特に、東京大学によるチリ・アタカマ砂漠における天文台施設の完成は、両国の科学的探究および協力の象徴として言及されました。
2025年大阪・関西万博への参加
5月12日、ボリッチ大統領は2025年大阪・関西万博で開催されたチリの建国記念式典に出席されました。同イベントでは、チリの豊かな文化的伝統やイノベーションの可能性について、来場者に向けて広く紹介されました。
JAPOLAC(一般社団法人日本ラテンアメリカカリブ振興協会)は、日本におけるラテンアメリカ・カリブ地域の食文化の振興を目的とした活動の一環として、昨年、チリ大使館において、くら寿司のご協力のもと、チリ産のウニ(エリソ)の特別試食会を開催しました。現在、2025年大阪・関西万博のくら寿司パビリオンにて、ラテンアメリカ・カリブ地域の他の料理とともに提供されています。
JAPOLACは、本訪問がチリと日本の関係をさらに深める契機となったことを心より歓迎するとともに、今後もラテンアメリカおよびカリブ地域の在日大使館と連携しながら、同地域への理解促進と相互協力の強化に努めてまいります。