6月 7, 2024

半導体について、パナマ工科大学教授と意見交換会を実施

5月、JAPOLACのリッテル・ディアス代表理事はパナマに赴き、半導体教育を専門とするパナマ工科大学の教授陣と会合を行いました。会合では、半導体製造業の活性化に向けた日本の戦略について意見交換するとともに、ディアス博士が3月に出席した、コスタリカで行われた半導体ロードマップの立ち上げの様子も紹介されました。

ディアス博士の報告によると、日本は、世界の半導体サプライチェーンにおいて中心的な役割を果たすため、半導体製造業を活性化させることを国家戦略と位置づけています。このため、日本は2021年から2023年にかけて約250億ドル(3兆9000億円)の財政補助金を割り当て、この支援により、台湾積体電路製造(TSMC)、Powerchip Semiconductor Manufacturing Corp.(PSMC、台湾)、サムスン(韓国)、マイクロン・テクノロジー(米国)、インテル(米国)、IBM(米国)、アプライド・マテリアルズ(米国)、ASML(オランダ)など、世界の半導体業界をリードする有名外資系企業が誘致されています。

コスタリカ半導体産業ロードマップの立ち上げは、インテル、コスタリカ、米国のパートナーシップによって取り組みが推進され、より強靭で安全かつ持続可能なグローバル半導体バリューチェーンの多様化と強化を目指すものです。このパートナーシップは、2022年米国CHIPS法によって創設された国際技術セキュリティ・イノベーション基金(ITSI基金)によって促進されています。現在コスタリカは、半導体のテスト、組立、パッケージングだけでなく、チップの設計にも進出しています。

ディアス博士は、パナマ工科大学と国家科学技術事務局の教育的リーダーシップの下、パナマには半導体産業を発展させる絶好のチャンスがあることを指摘しました。同国はコスタリカと同様、ラテンアメリカ・カリブ海地域における安定したサプライチェーンの一翼を担うべく、米国とパートナーシップを組んでいます。さらに、パナマはこのサプライチェーンを支える重要な国際物流センターを有し、コスタリカの半導体生産を補完していると言えるでしょう。

この点に関してディアス博士は、コスタリカがインテルのようなハイテク企業を誘致したのと同じように、パナマもグローバルな半導体企業に対応できるような教育カリキュラムに変革しなければならないことを強調しました。その教育モデルは、母国語であるスペイン語、国際的なコミュニケーション言語としての英語に加え、プログラミング言語を学ぶなど、人工知能や機械についての知識を取得できるようなカリキュラムを含んだものでなければなりません。

ディアス博士は、JAPOLACがパナマ工科大学に対し、半導体やその他の技術開発分野の研究開発に関連する日本の機関や企業との連携を確立できるよう支援していることを改めて強調すると同時に、半導体分野におけるパナマ工科大学の教授および学生の研修を実現すべく、すでに千葉大学工学部に働きかけを行っていると述べました。