駐日グアテマラ大使、千葉大学にて外交講演を実施

2025年5月29日、千葉大学において、駐日グアテマラ共和国の特命全権大使であるマヌエル・ロルダン閣下による第3回外交講演会が開催され、同大学の様々な学部から学生たちが参加しました。ラテンアメリカの外交官と直接交流できる貴重な機会となり、7学部にわたる全学年35名の学生が意義深い時間を過ごしました。
講演は、情報豊かで刺激的、感動的な内容として温かく迎えられました。学生たちは、大使が歴史的な洞察と個人的なエピソード、そしてユーモアを巧みに織り交ぜながら講義を進めたことに感銘を受け、内容が非常に分かりやすく、かつ記憶に残るものとなったと述べています。マヤ文明の古代の遺産から現代グアテマラ社会の多様性に至るまで、グアテマラという国を多面的に、そして豊かに描き出す講演でした。多くの学生にとって、グアテマラについて本格的に学ぶのは今回が初めてであり、大変有意義な機会となりました。
特に学生の関心を集めたのは、23の異なる民族グループを持つグアテマラの民族的多様性と、「レファクシオン(refacciones)」と呼ばれる学校での日常的な軽食提供に関する国の取り組みでした。こうした制度は、日本の福祉制度との比較や、貧困対策や地域社会支援に対する文化的アプローチの違いについて考えるきっかけとなりました。
また、グアテマラの農産物の輸出や日本との強固な貿易関係にも興味を示す学生が多く、コーヒー、砂糖、バナナといったなじみのある製品が話題となりました。中でも、グアテマラ産の高品質なコーヒーの文化と、日本の茶文化との共通点に注目した学生もいました。
さらに、グアテマラとベリーズ間の国境問題についての話題も、多くの学生にとって新鮮かつ衝撃的でした。島国である日本に住む学生にとって、陸上国境を巡る紛争という概念自体が馴染みのないものであり、大使による地政学や国際法に関する説明は非常に貴重な視点を提供してくださいました。
そして何よりも印象的だったのは、大使ご本人の外交官としての人生と情熱についての話でした。ご家族からの反対を受けながらも外交の道を選び、グアテマラの文化を世界に伝え続けている姿勢に、多くの学生が感銘を受け、自らの将来をグローバルな視点から考えるきっかけとなったようです。