パナマ共和国ホセ・ラウル・ムリーノ大統領 訪日
パナマ共和国ホセ・ラウル・ムリーノ大統領は、2025年9月2日から7日まで日本を公式訪問され、大阪・関西万博2025におけるパナマ・ナショナルデーへの出席、ならびに、パナマと日本の政治・経済・文化分野における友好関係の一層の強化を目的として、各種公式行事に臨まれました。
公式日程の一環として、ムリーノ大統領は石破茂内閣総理大臣と二国間首脳会談を行い、両国を結ぶ緊密な友好関係をあらためて確認しました。会談では、パナマ運河が世界の海運貿易の基盤として重要な位置にあること、そして日本の主要なエネルギー輸送路として不可欠な役割を担っていることが強調されました。石破総理は、自由で安全かつルールに基づく海洋秩序の推進におけるパナマの貢献を高く評価し、ムリーノ大統領は、国際社会の利益のため、運河の運用能力の強化と物流多角化に向けたパナマ政府の取り組みを表明しました。
今回の訪日に際し、JAPOLAC(一般社団法人日本ラテンアメリカカリブ振興協会)代表理事のリッテル・ディアス博士は、ムリーノ大統領が 衛藤征士郎氏(元衆議院議員、日・パナマ友好議連元会長)に対し、バスコ・ヌニェス・デ・バルボア勲章を授与する叙勲式に参列しました。同氏は長年にわたり両国の外交・経済関係強化に尽力した功績が高く評価されています。また、大統領は日本の海運界リーダーである和田信行氏に対し、パナマ船籍登録の普及に対する多大な貢献を称え、マヌエル・アマドール・ゲレーロ勲章を授与されました。
ディアス博士はさらに、東京でJETRO(日本貿易振興機構)が主催した「パナマ・日本投資・ビジネスチャンスセミナー」にも出席しました。ムリーノ大統領は冒頭で挨拶を述べられ、フリオ・モルト商工大臣は、150名を超える日本の企業関係者に対し、パナマの経済展望を紹介しました。大臣は、パナマが 米州の物流・金融ハブとして果たす役割や、外国投資を促進する特別制度、国際協力に開かれたインフラ・エネルギー事業、さらにパナマのメルコスール(南米共同市場)加盟による新たな商機についても言及しました。
大統領の訪日には、パナマ海事庁および在日パナマ共和国大使館が主催した海事セミナーも含まれていました。ムリーノ大統領は開会の辞において、パナマ船籍の戦略的重要性を日本の海事関係者に向けて強調しました。あわせて、パナマ運河庁は、収益源の多様化と物流サービス拡充を目指す大規模計画である「ガスパイプライン・プロジェクト」の進捗について報告しました。
9月6日、ディアス博士は大阪万博会場「Ray Garden」で開催されたパナマ・ナショナルデー公式式典に出席しました。式典では、パナマの文化芸術の紹介とともに、持続可能性・イノベーション・国際協力に対するパナマの強いコミットメントが表明されました。
式典後、ディアス博士は 大阪・関西万博事務局より招待を受け、ムリーノ大統領のために催された公式昼食会に出席しました。この席では、日本とパナマ両国の関係者が、両国間の良好な関係の一層の強化に向け、建設的な意見交換を行いました。
これらの公式行事へのディアス博士の参加は、JAPOLACが 日本と中南米・カリブ諸国との関係強化を積極的に支援し、地域間の連携、貿易、文化、国際協力を促進する取り組みを今後も力強く推進していく姿勢を改めて示すものとなりました。
